2018.10.06
尋常性乾癬治療薬アプレミラストについて
当院ではアトピー性皮膚炎や掌蹠膿疱症以外にも、尋常性乾癬という疾患についても軽症~中等症までの患者様について診療をおこなっています。
軽症~中等症までの尋常性乾癬の患者様には、従来、
ステロイド外用薬、ビタミンD3外用薬、紫外線療法、シクロスポリン内服、
といった治療を単独もしくは組合せたりして行っておりました。
そして、この領域に、2017年2月に、アプレミラスト(オテズラ®)が発売されました。
今まで、シクロスポリン内服をしなければよい状態が保てなかった患者様について、
オテズラ内服という選択肢が新たに加わりましたので、
それまで、頻繁に必要であった血液検査の回数が減り、
効果も、思っていた以上にでやすい印象です。
特に、エキシマランプや、ナローバンドUVBといった紫外線療法とのコンビネーション治療を行うと、よりよい治療効果が得られる印象を受けます。
最初は、ひと月約2万円(3割負担の場合)の薬剤代がかかりますので、
なかなか軽症の場合には処方できませんが、
尋常性乾癬治療ピラミッドでの頂点に君臨する、生物学的製剤と比較すると、
費用の負担はその何分の1で抑えられるため、
中等症で、症状に悩まされている方には、お勧めの治療です。
飲み初めに、軟便、腹痛、下痢、嘔気などの消化器症状が出現することがございますが、
ゆっくり内服量を増やすことで、大半の方は慣れて緩和されていきます。
重症の方は、やはり生物学的製剤が適応になりますので、
その場合は、基幹病院にご紹介させていただいております。