2024.07.21
阪神間女医交流会座長を務めました。
本日は、マルホ株式会社主催の『阪神間女医交流会』にて、
恩師、片岡洋子先生のご講演の座長を務めさせていただきました。
近年、さまざまな治療薬が、皮膚科領域でも登場してきております。
その中でも、今回は「ネモリズマブ」についての勉強会でした。
ネモリズマブは、アトピー性皮膚炎や結節性痒疹に有効な薬剤です。
―アトピー性皮膚炎に対して―
医局の先輩でもある櫻根先生のご講演からは、アトピー性皮膚炎のどのような発疹型に対してネモリズマブが有効であったか、
についてのご使用経験を詳しくご説明くださりました。
普段デュピクセントを愛用している私にとっては、
デュピクセントのみで改善することが多く、あえてネモリズマブを処方する必要性をこれまではあまり感じることがなかったため、
『どのような患者様に対して、デュピクセントではなく、ネモリズマブを選択するべきか?』
という点について、あえて処方するべきなのかどうかを悩むこともしばしばありました。
しかし、今後は、
特にかゆみが強く、掻把痕が多発しているようなタイプで、TARCやびまん性の紅斑などのTH2炎症がそれほど強くないアトピー性皮膚炎の患者様をしっかり見分けた上で、
少し効果が感じられるまでに時間を要するデュピクセントよりも、ネモリズマブは速やかにそう痒を改善させていくことができやすいため、このような発疹型の患者様には、今後はネモリズマブをまずはおすすめしてまいりたいと思います。
―結節性痒疹に対してー
孤立性の結節がみられるタイプの結節性痒疹に対しては、ネモリズマブは有効なお薬です。
こちらは当院でも既に使用を開始しており、その効果の早さを実感しておりますが、
片岡先生の非常に豊富なご経験の中から、
ネモリズマブを使用すべきケース、使用するべきでないケースについて
詳しくご講演くださり、非常に勉強になりました。
結節性痒疹についても、TARCが(目安TARC800程度まで)それほど高くないタイプの患者様で、発疹が孤立性の場合に適しております。
アトピー性皮膚炎で使用する場合はネモリズマブ60mg/回ですが、
結節性痒疹に使用する場合は、30mg/回で使用します。
様々な新規治療薬が市場に登場し、私達皮膚科医は、どの薬剤を使用するのか、発疹をしっかり診て、適切に判断していかねばなりません。
現在のところ、その判断基準ははっきり決まっているわけではなく、論文や、治験結果、使用経験のある医師の感触を総合的に自分自身の中で嚙み砕いて理解してから判断していく必要があります。
本日のように、経験豊富な先生方と、様々な事例を相談しながら学べる機会はとても貴重な成長できる時間でした。
本日の学びを、患者様に還元していけますようまた明日から頑張ろうと思います(^▽^)/
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