一般診療(保険診療)
Dermatology
水虫(足・爪)
白癬菌(はくせんきん)が足の指や裏など皮膚の角質や皮下組織を侵食することによって、炎症などが起きる感染症です。一般的には水虫や、たむし、いんきんたむし、といった通称で呼ばれています。
原因・治療について
注意点
~ 市販薬を塗るその前に ~
「足がかゆいから、みずむしかなあ?」と思ったら、薬を塗る前に、まず皮膚科を受診して、真菌顕微鏡検査(顕微鏡でみずむしを発見する検査)を必ず受けましょう。
自己判断で、市販薬をいったん塗ってしまうと、約1か月は真菌が潜んでしまい、皮膚科を受診したときに、顕微鏡でみずむしを発見しにくくなります。
予防とケア
-
■ 接触感染の予防
バスマットやタオルなどを介して、身近な人に接触感染することがありますので、白癬と診断されたら、自分用のバスマットやタオルを使いましょう。また、スリッパなどの履物を共有しないようにしましょう。
白癬菌は切った爪や、はがれた足の皮の中でも生き続けて、他の家族に感染します。こまめに掃除をしましょう。
-
■ 日々のケア
毎日、指の間までしっかりと洗い、爪の色も観察しましょう。洗うときは、こすりすぎて皮膚をきずつけないように、やさしく洗いましょう。
白癬菌は高温多湿を好みます。お風呂上りには、タオルやマットなどで、足の裏の水分をしっかりふき取りましょう。また、通気性のよい靴や靴下を選び、風通しをよくしましょう。靴下は、木綿を素材とするものがよく、湿気をためこまない5本指のものがおすすめです。
-
■ 爪のお手入れ
爪はていねいに切りましょう。お風呂上りで爪がやわらかいときに爪を切り、その後ヤスリなどで整えるのがおすすめです。その際、白癬菌のついた爪の屑を散らかさないように気を付けましょう。また、外用薬の効果が弱まるので、ネイルや爪用化粧品の使用は控えましょう。
この記事の監修者

木嶋 晶子(きじまあきこ)
咲愛会 きじま皮フ科クリニック 理事長・院長
医師・医学博士 日本皮膚科学会専門医 日本アレルギー学会専門医
神戸大学医学部医学科卒業
皮膚科、アレルギー科、 美容皮膚科を中心に、一人ひとりの状態を考えて、オーダーメイド皮膚医療を行うことを心がけています。
一人ひとりが輝けるよう、 皮膚のお悩みをサポートしていきたいと考えています。
原因や治療法について
原因
通気性の悪い靴を長時間はいている、など、白癬菌が繁殖しやすい環境にある方が感染しやすくなります。
症状
下記の症状チェックリストのなかで、あてはまる項目がある方、また、気になる症状がある方は医師にご相談ください。
▼ 足白癬(足みずむし)
・足の指の間、足の裏がかゆい
・足の指の間、足の裏にカサカサがついている
・足の指の間、足の裏に赤みがある
▼ 爪白癬(爪みずむし)
・爪が白色や黄色に変色している
・爪が厚い、またはザラザラしている
・爪がもろくなる
・水虫にかかっている、またはかかったことがある
・日中はほとんど靴を履いている
・靴を履いたり、歩いたりするときに爪の周りが痛む
治療
基本的には抗真菌剤の外用で治療しますが、部位や症状の強さによっては、抗真菌剤の内服を併用することもあります。
爪白癬は、以前は塗り薬だけでは難治な場合も多くみられましたが、最近は、比較的効果がでやすい塗り薬が出てきています。
爪白癬が完治するまでの期間は、症状や爪の伸びる速度によって異なります。爪全体に症状がある場合には半年~1年以上かかります。