2024.09.22
子どもに多い『感染性じんましん』
子どもに多い、『感染性じんましん』について、本日はお話ししようと思います🌟
じんましんとは、かゆみを伴う、蚊に刺されたような赤い膨らみが体中に出て、一個一個の発疹は24時間以内に消えて、
また別の場所に新たに同じような発疹が出たり消えたりを繰り返す疾患です。
一般に、蕁麻疹は、風邪などの感染症や、疲労など、体に負荷がかかっているときに出ることが多いものです。
風邪をひいてじんましんが出ていても、抗ヒスタミン薬を内服すると、症状が改善することが殆どですが、
しかし、ごく稀に、抗ヒスタミン薬がまったく効かないじんましんが出ることがあります。
一般的にじんましんの治療として、抗ヒスタミン剤で効果がない場合は、
H2拮抗剤や抗ロイコトリエン拮抗薬を併用したり、
抗ヒスタミン剤の倍量投薬を行ったりと処方に工夫をすれば、
何とかおちついてくることが殆どです。
それでも全然効果がみられず、そのような場合には
ステロイド内服を処方します。
しかし、ステロイド内服を処方すると余計に悪化してしまうじんましんを経験することがたまにあります。
どんどん治療をしても落ち着かず、更に蕁麻疹が広がってしまうので、
皮膚科医になったばかりのころは、
「ちゃんと治療しているのになんでよくならないんだろう!?」
とドキドキしたものですが、
「そんなときは血液検査をしてCRP確認してみ! 高いやろ? ステロイド出さずに抗生剤処方するんやで!!」
と指導医に教えてもらい、じんましんの奥深さを感じた思い出があります🌟
では、どのような時に「感染性じんましん」を疑うか!?
1)ほぼ全身に蕁麻疹が多発する
2)37℃以上の発熱がみられる
3)抗ヒスタミン薬や強ミノ C 静注など通常の治療に反応しない
4)白血球 1 万以上,好中球 70%以上,CRP 0.5 以上のうち 2 つ以上ある
5)抗菌薬併用のないステロイド内服や治療に抵抗性
上記1)-5)を概ね満たす症例を「感染性じんましん」と診断することが角田らにより提唱されており、1)
また、感染性じんましんでは、血液検査でさらにD-dimerやFDPの上昇がみられうることも報告されているので2)、
このような特徴のあるじんましん患者様をみたら、きじま皮フ科クリニックでは常に鑑別として考えるようにしています。
そして、このような場合には、抗生剤を飲ませて、
誘因となっている感染症を治療することですっかりよくなってしまうのです。
このようなじんましんのことを「感染性じんましん」と言います。
急なお子さんのじんましんで、市販薬飲ませたけど、全然治らない!!というときは、
感染性じんましんの可能性があるかもしれないので
ぜひ皮膚科にご相談くださいね。
なぜ急に「感染性じんましん」についてブログを書いたかというと、
まさに、娘が先週かかったからなのです(自然学校で疲れて、風邪をひいて帰ってきたため)!!
抗生剤と抗ヒスタミン剤内服を併用してさっとおちつきました・よかったよかった(^^)
1)角田孝彦:日皮会誌,125:1215‒1219,2015
2) 角田孝彦:皮膚臨床 66(2);183~186,2024 183-186,2023
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