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一般診療(保険診療)
Dermatology

じんましん

じんましんは漢字で「蕁麻疹」と表し、皮膚の一部が突然に赤くくっきりと盛り上がり(膨疹)、しばらくすると跡かたなく消えてしまう病気です。大抵は痒みを伴いますが、チクチクとした痒みに似た感じや焼けるような感じを伴うこともあります。個々の皮疹(ブツブツや赤み)は24時間以内に消えるのが普通です。

原因・治療について

 

原因

原因が分かる蕁麻疹と、原因が分からない蕁麻疹があります。

蕁麻疹の背景に感染症や疲労などが潜んでいることはありますが、毎日症状が出るタイプの蕁麻疹は、原因が特定できないことが殆どです。

原因が分かる蕁麻疹

→ 特定の食品、寒冷、機械的刺激のような特定のきっかけによって、蕁麻疹が出現します(毎日ダラダラ出るわけではない)。

原因が分からない蕁麻疹

→ 毎日蕁麻疹が数か月~数年にわたり出現します。

蕁麻疹の症状が出る期間

蕁麻疹は、症状の出方によって、

・特定の食品、寒冷、機械的刺激のような特定のきっかけによって出現する蕁麻疹
・何日にも亘り、毎日症状が出現する蕁麻疹

に大きく分かれます。

後者の、「毎日症状がでるタイプ」では、の最初の症状が出始めてから6週間未満のものを急性蕁麻疹それ以上続くものを慢性蕁麻疹と呼びます。

慢性蕁麻疹

慢性蕁麻疹のほとんどの場合は原因を明らかにすることができません。

最近の研究では、自分自身の血液の中に皮膚マスト細胞を活性化する蛋白質が存在する例があることが明らかにされています。

多くは夕方から夜にかけて現れ、翌朝ないし翌日の午前中頃には消失し、また夕方から出始めるという経過をとります。皮膚症状の他、全身倦怠感、関節痛、発熱などの症状がある場合は内臓の病気を疑い、詳しい検査を行う必要があります。

しかし自覚できる症状が皮膚に限られている場合は、何ヶ月ないし何年間か症状が続いた後、ほとんどの場合はやがておさまっていきます。

当院での蕁麻疹に対する検査、治療方針について

特定のきっかけがある場合にのみ出現する蕁麻疹について

問診と皮膚症状から、特定のきっかけによって生じている蕁麻疹かどうか判断します。

蕁麻疹が起きる仕組みには大きく非アレルギー性の蕁麻疹、アレルギー性の蕁麻疹があります。アレルギー性の蕁麻疹であれば、血液検査または皮膚を用いた検査を行います。当院では血液検査を施行することができます。

皮膚を用いる場合は原因として疑われる物質を皮膚に注射(皮内テスト)、あるいは皮膚に載せて針で突く(プリックテスト)などの方法がありますが、外来ではアナフィラキシー(重症のアレルギー症状)を生じるリスクがあるため、皮膚検査は入院して行う必要があります。その為、皮膚検査が必要と医師が診断した患者様は適切な医療機関へご紹介させていただきます。
ただしこれらの方法で陽性であったとしても、それらがすべて蕁麻疹の原因とは限らないので、最終的には臨床症状やそれまでの経過などを併せて判断します。

 

毎日出没する蕁麻疹について

発症して1ヶ月以上経過した慢性蕁麻疹で、特に皮膚以外に症状がない場合では、あまり詳しい検査を行ってもほとんど異常が見つかることはありません。
 原因のはっきりしない慢性蕁麻疹の場合は、自分自身では症状の出現を避けることができず、数ヶ月、あるいは数年にわたり蕁麻疹の出没を繰り返すことが珍しくありません。そしてそれまでの経過が長ければ長いほど、その後病気が治るまでにかかる時間も長い傾向があります。

多くの場合、薬を飲んでいれば症状はおさまりますが、止めればまた元通りの症状が出るようになってしまうことがあります。そのため慢性に経過する蕁麻疹の多くは、症状の有無に関わらず、長期にわたり薬を飲み続ける必要があります。しかしそのようにしてうまく症状をコントロールしていくと、ほとんどの場合は少しずつ薬の量を減らすことができ、やがては薬を中止できるようになります。

飲み薬による治療

治療の流れ

飲み薬による治療は、大きく3つのステップに分けてご説明させていただいております。

 

  • STEP1

    まずは、ご自身の蕁麻疹が出ないように抑えられる抗アレルギー薬を探しましょう。抗アレルギー薬は何種類もありますので、ご自身に合った抗アレルギー薬を見つけ、まずは『1か月間、蕁麻疹が全く出ない』、という状態を作れるようにします。

  • STEP2

    飲み薬を飲むことで、蕁麻疹がピタリと出なくなったら、次は、1~数か月間、お薬をしっかり飲み続け、『飲み薬を飲んでいたら、蕁麻疹は全く出ない』という状態を維持しましょう。

  • STEP3

    数か月間、蕁麻疹が出ない状態を維持できたら、少しずつ飲んでいるお薬の量を減らしていきます。

飲み薬の種類

最初に使われるのはヒスタミンという物質の作用を抑えるための抗ヒスタミン薬です。抗ヒスタミン薬で改善がみられない場合には、抗ヒスタミン薬の増量や併用、補助的治療薬や生物学的製剤の使用を検討します。

 

  • 非鎮静性第二世代抗ヒスタミン薬

    アレルギー反応に関わる物質を抑える飲み薬です。

  • 経口ステロイド薬

    炎症を抑える飲み薬です。長期間の使用は避けて、医師が必要と判断した時期のみ少量を短期間に限って使用することがあります。

  • 生物学的製剤

   慢性特発性蕁麻疹の炎症や症状で中心的な役割を果たしている 物質の働きを抑える注射薬です。

 

じんましんは決して珍しい病気ではありませんが、
長く続く場合は、治療にも根気が必要となります。

できるだけ早く、患者様のつらいかゆみ、不安をとれるよう
心がけて治療に臨みます。

 

じんましんについてのよくある質問

Q1 じんましんは他の人にうつりますか?

A じんましんには様々なタイプがありますが、どのタイプでも感染することはありません。ただし、皮膚の発疹は、蕁麻疹以外の病気の可能性もありますので、ご自身で判断せず医療機関を受診するようにしましょう。

 

Q2 検査をしてもじんましんの原因が分からないことが多いって本当ですか?

A じんましんが出ては消える状態を6週間以上繰り返す慢性蕁麻疹では、多くの場合が原因不明だとされています。慢性特発性蕁麻疹が疑われる場合は、検査をしてもはっきりとした原因が分からない可能性が高くなります。

 

Q3 慢性特発性蕁麻疹は命にかかわる病気ですか?

A 一般的には命に関わる病気ではありませんが、重くなると生活に支障が出ることがあります。蕁麻疹に加えて、発熱や、のどが腫れて呼吸が苦しくなる、などの症状がある場合は、積極的に医療機関を受診しましょう。

 

Q4 いつになったら治るのですか?

A 慢性特発性蕁麻疹の平均罹病期間は約1-5年だといわれています。いずれは治ることが多い病気だという希望をもって、根気強く治療を続けることが大切です。長期にわたり症状をうまくコントロールしていくと、ほとんどの場合は少しずつお薬の量を減らせることができ、やがてはお薬を中止できるようになります。治療の効果が十分でない場合は、医師と相談して、治療の強化やお薬の変更などを検討しましょう。

 

Q5 診察の時に限ってじんましんの症状がおさまっています。つらい時の症状をどのように医師につたえればよいでしょうか?

A スマートフォンなどで症状が出ている部位の写真を撮ったり、普段から日常生活で困ったことなどをメモしたりしておきましょう。

 

この記事の監修者

木嶋 晶子

木嶋 晶子(きじまあきこ)

咲愛会 きじま皮フ科クリニック 理事長・院長
医師・医学博士 日本皮膚科学会専門医 日本アレルギー学会専門医
神戸大学医学部医学科卒業

皮膚科、アレルギー科、 美容皮膚科を中心に、一人ひとりの状態を考えて、オーダーメイド皮膚医療を行うことを心がけています。
一人ひとりが輝けるよう、 皮膚のお悩みをサポートしていきたいと考えています。

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