白癬菌(はくせんきん)が足の指や裏など皮膚の角質や皮下組織を侵食することによって、炎症などが起きる感染症です。一般的には水虫や、たむし、いんきんたむし、といった通称で呼ばれています。
原因
通気性の悪い靴を長時間はいている、など、白癬菌が繁殖しやすい環境にある方が感染しやすくなります。
症状
下記の症状チェックリストのなかで、あてはまる項目がある方、また、気になる症状がある方は医師にご相談ください。
足白癬(足みずむし)危険度チェック
- 足の指の間、足の裏がかゆい
- 足の指の間、足の裏にカサカサがついている
- 足の指の間、足の裏に赤みがある
爪白癬(爪みずむし)危険度チェック
- 爪が白色や黄色に変色している
- 爪が厚い、またはザラザラしている
- 爪がもろくなる
- 水虫にかかっている、またはかかったことがある
- 日中はほとんど靴を履いている
- 靴を履いたり、歩いたりするときに爪の周りが痛む
治療
基本的には抗真菌剤の外用で治療しますが、部位や症状の強さによっては、抗真菌剤の内服を併用することもあります。
爪白癬は、以前は塗り薬だけでは難治な場合も多くみられましたが、最近は、比較的効果がでやすい塗り薬が出てきています。
爪白癬が完治するまでの期間は、症状や爪の伸びる速度によって異なります。爪全体に症状がある場合には半年~1年以上かかります。
注意点
「足がかゆいから、みずむしかなあ?」と思ったら、薬を塗る前に、まず皮膚科を受診して、真菌顕微鏡検査(顕微鏡でみずむしを発見する検査)を必ず受けましょう。
自己判断で、市販薬をいったん塗ってしまうと、約1か月は真菌が潜んでしまい、皮膚科を受診したときに、顕微鏡でみずむしを発見しにくくなります。
バスマットやタオルなどを介して、身近な人に接触感染することがありますので、白癬と診断されたら、自分用のバスマットやタオルを使いましょう。また、スリッパなどの履物を共有しないようにしましょう。
白癬菌は切った爪や、はがれた足の皮の中でも生き続けて、他の家族に感染します。こまめに掃除をしましょう。
毎日、指の間までしっかりと洗い、爪の色も観察しましょう。洗うときは、こすりすぎて皮膚をきずつけないように、やさしく洗いましょう。
白癬菌は高温多湿を好みます。お風呂上りには、タオルやマットなどで、足の裏の水分をしっかりふき取りましょう。また、通気性のよい靴や靴下を選び、風通しをよくしましょう。靴下は、木綿を素材とするものがよく、湿気をためこまない5本指のものがおすすめです。
爪のお手入れ・・・爪はていねいに切りましょう。お風呂上りで爪がやわらかいときに爪を切り、その後ヤスリなどで整えるのがおすすめです。その際、白癬菌のついた爪の屑を散らかさないように気を付けましょう。また、外用薬の効果が弱まるので、ネイルや爪用化粧品の使用は控えましょう。